「失敗を活かす」を実現する仕組みづくり

http://vimeo.com/94950270

1 comment | 2 points | by WazanovaNews 約3年前 edited


Jshiike 約3年前 edited | ▲upvoteする | link

ミスを許さない組織って嫌ですよね。月曜日の朝に会社に行くのがとにかく苦痛だった時期があります。しつけ的な規律をもたらすという一定の効果はあったかもしれませんが、ミスをしないように、しかられないようにするために仕事の進め方が最適化されていって、顧客がどう思うかよりは、上司の顔を伺うところに皆が全力を注ぎはじめます。

そんな会社は反面教師に。また最近は、blameless postmortem(個人批判をしない建設的な障害の振返りミーティング)というのも流行言葉。「そうだそうだ、もっと前向きであるべきだ。」と思いつつ、しかし難しいのは、ユーザに悪影響を与えるものを減らそうとする気持ち。その気持ちを持つことが正論、かつ当然最も重要であるがゆえに、障害の振返りの議論はどうしても「再発防止」に終始してしまいがち。

blamless postmortemの理想論的な側面は完全にはぬぐえないのかもしれませんが、Spotifyのこの13分のビデオが割と腹落ちしたのは、建設的であるべきだと唱えるだけでなく、失敗の影響を下げる & それを活かせる仕組みづくりも重要だということに言及しているからだと思います。

  • うちは誰よりも先にミスをするようにすることが目標。早く失敗すれば、早く学ぶことができ、早く改善できる。
  • これは長期的に成功するための戦略。幼児をゆりかごに閉じ込めておけば安全だけど学びはない。外にだすと多少ケガはするは、ケガは直る。そして経験をカテに成長する。失敗=障害を前提にした環境づくりが大切。
  • 再発防止よりも、どう素早く & 影響少なく障害復旧するかということに注力。失敗から学んだことをボードに掲示し、自慢 & 賞賛するカルチャーをつくる。
  • 学びのない失敗は、要はただの失敗。だから、振返りのミーティングはやる。「誰の責任か?」ではなく、「何を学ぶことができたのか?」「どう変えることができるのか?」がポイント。プロダクトだけを修正するのでなく、プロセスを改善できるチャンス。継続的な改善を目指す。ボトムアップでの改善の取組み & トップダウンでそれをサポート。
  • Limited Blast Radius(爆風範囲を絞る)
    • 分離性の高いアーキテクチャ: 開発squadの担当する機能は、それ以外への影響を抑えるアーキテクチャを工夫する。小さなsquad単位で上流から下流まで責任をもたせることで、すばやく復旧できる。
    • 段階的なリリース: ごく一部の本番ユーザにリリースし、しっかりモニタリング。対象ユーザを段階的に増やしていく。
  • 障害が影響する機能範囲、対象ユーザ数、影響時間を抑える取組み。小さな取組みで早く学ぶ。大げさに工数をかけてリスク範囲を精査することで時間を浪費しない。カーレースのレジェンド、Mario Andretti曰く、「全てをコントロールすると、スピードは落ちる。」
  • 新しい機能のアイデアは、ユーザのどのような問題を解決するのかというピッチ(短い宣伝文言)にまとめる。ピッチを具現化するが、機能の完成には至らない最低限のレベルでまずはリリース。そこから、A/Bテストをして、改修をするというサイクルを繰り返す。提供範囲のユーザを段階的に増やしながら、スケーラビリティやオペレーションの問題点もつぶしていく。目的はピッチで既に定められ & 共有されている。うまく進んでいるというペースで満足するのではなく、最終的な良いユーザインパクトを与えられるどうかがゴール。
  • 100%予測できるということは、イノベーションが0%だということ。計画を満たすことよりも、ユーザ価値を増やすことを重視。
  • クリエイティブなカルチャーは、週10%のHack Timeと年2回のHack Weekでつくる。どんなもので、どういう方法で、何をつくってもよい。金曜日にデモ & パーティ。
  • 何事もこうだと決め込まず、実験することが大切。迷ったら上司に決めてもらうのではなく、試してみる。必ず事前に仮説をもち、失敗しても成功しても、何を学んだか、次はどうするかが重要。それが、データ駆動型の意思決定を根付かせ、誰かの意見重視 / エゴ駆動型 / 権威駆動型の文化を駆逐してくれる。
  • Waste-repellent Culture(浪費を忌み嫌う文化): うまくいくとわかったら、すぐに共有して根付かせる。うまくいかないとわかる & 意味のないものを見つけたなら、さっさと捨てる。
  • メリットのある、大きな長期的プロジェクトをするケースはありえる。タスクの細分化、進捗の可視化、日次の手短な共有ミーティング、毎週/隔週のデモをすることで、リスク & 無駄をヘッジする。官僚化して硬直するよりは、混乱しながら前に進んでいる方がまし。
  • 改善/進捗を掲示して可視化 & 共有
    • 現状/課題
    • この場合の成功の定義は何か?
    • 次のマイルストーンの現実的な目標
    • 次の目標に向けた三つの重要なアクション
  • 成長していれば、今日の素晴らしいアイデアは、明日すぐに痛みの元になりうる。しかし、健全な文化はほころびのでたプロセスをいやすことができる。
  • カルチャーの浸透は、そのストーリーを伝える場が必要。ブログ、postmortem、ランチ、全社ミーティング、あらゆる機会を利用して努力を続けること。究極的にカルチャーは、メンバの姿勢 & 行動の総和になる。自分自身がカルチャーになるということは、自分であるべきと思う姿を具現化すること。

#spotify #働き方


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