失敗をおそれることでなくしてしまう未来

http://www.infoq.com/presentations/migration-cloud-microservices?

1 comment | 2 points | by WazanovaNews 約3年前 edited


Jshiike 約3年前 edited | ▲upvoteする | link

1) 変われない企業という生き物

”It isn’t what we don’t know that gives us trouble, it’s what we know that ain’t so.”(自分たちの知らないことではなくて、知ってることが変わっていくのに気づかないことが、トラブルの元になるんだ。)

エンタープライズITのクラウド化の伝道師 Adrian Cockcroft (Netflix -> Battery Ventures) が、"Migrating to Cloud Native with Microservices” と題した講演の中で紹介している、1920-30年代のセレブ Will Rogersの言葉

Adrianは、エンタープライズ企業がクラウドを採用するに至るまでの反応を時系列で見て、

Ignore -> “No” -> I said “No” dammit -> “Oh No” -> “Oh %*&!”

(最初は無視 -> 「そんなのやらないよ。」 -> 「やらないって言っただろう。提案してくるな!」 -> 「おっ、実は結構いいかもしれない。」 -> 「まずい。やらなきゃだめだ。」)

と揶揄しています。

また、a16zのChris Dixonはブログで、競争力をあげるために企業がソフトウェアを利用するレベルを三段階に分類(この場合は、非テクノロジー企業が変わっていくという点と、ハードウェア企業のソフトウェア化という意味と両方を兼ねているかと。)しています。

  1. IT部門が、他の企業がつくったテクノロジー(メール、カスタマーサービスソフト等)を管理しているが、それ以上は特に手をうたないケース。
  2. 社内にソフトウェア開発部門をもち、CTOがいて、内製のソフトウェアを開発している。
  3. テクノロジーのキャリアを積んだトップマネッジメントが、組織内の全ての機能のコアがソフトウェアだと認識していて、別途ソフトウェア開発部門をわけることは、ビジネス部門をあえてつくるのと一緒で、無駄で理にかなってないことだとみなしている。

この分類をまたぐかたちで変化していくのは、企業にとって労力のいるものですが、

シリコンバレーでは最近、食事の配達 / ハウスキーピング / 交通サービスなど、一見テクノロジー企業に見えないスタートアップがよくあるが、ソフトウェアを事業のコアに据えて、既存のものを大胆にリプレースするような良いプロダクトとサービスをつくろうと賭けている。

として、エスタブリッシュされた業界が変化を強いられる可能性を示唆しています。

「ソフトウェアで変える。」という観点では、CloudFlareの成長が目立っています。「NTPベースのDDoS攻撃を理解する」などで紹介したように、DNSレベルでのセキュリティ対策などで知名度があがってましたが、実は既にウェブ全体の5%のトラフィックをカバーしています。企業価値も、2年前に$1B(約1000億円)という話がありましたが、現在は相当上がってるかと。セキュリティサービスだけを主軸にするのでなく、シスコシステムズ(企業価値: $130B / 約13兆円)がハードウェアで実現しているサービスをクラウド & ソフトウェアで順次置き換えていくと宣言しています。

自分が、かつて米国市場への参入アプローチを練ってたときの選択肢の中で、「それだと既存の競合にすぐ参入されて潰される。」と懸念したものがあったのですが、

  • 「大丈夫。大企業は意外とやらない、いや、やれないものだよ。」

  • 「魅力的なアイデアを聞くと、いいなと思う企業はいっぱいいるけど、実際にそれをつきつめて検討して、まわりを説得して、時間とコストのリソースを賭けてまで実行する確率はものすごく低い。」

とアドバイスされ、その時は腹落ちはしなかったのですが、ここ数年で、「そうだよな。」と納得できるようになりました。

既存企業 = 大組織は、従前の成功体験に最適化されていて、大胆に変化することの短期的なデメリットが、中長期的なメリットよりも気になってしまう。また自然と、変わらないことが心地よいと考える人の集団になってしまっているので、環境の変化には驚くほど弱いものです。

2) 新しいことにチャレンジする環境がベストであるタイミングは意外と多い

Kevin Kellyが、”You Are Not Late” の中で、

タイムマシンで振返ったら、2044年に使われるよいプロダクトのほとんどは、2014年以降につくられたものだとわかるだろう。...(「ネットが出た頃に起業していればなんてよかっただろう。」と思ってるかもしれないが、)現在、どれだけ可能性の大きなフロンティアが広がっているか気づいてないのではないか。人類の歴史の中で、かつてないベストのタイミングだ。

と語ってます。

3) 周りでなくて、自分の問題

そこまで好環境で、かつ、既存勢力は変われない生き物だという特性があっても、新しいことにチャレンジして踏み出せない障壁は、自分自身。

MozillaのSoledad Penadesが、CascadianJS 2014の講演でこのポイントに触れています。

ロックスターエンジニアであるMozillaの同僚達が、「へー、面白いことにチャレンジしてるね。」と自分たちの取り組みを賞賛してくることに驚き、「なぜ能力がある人が、新しいことを生み出せないのか。」と考えた際、取るべき道は、

  • たくさんトライすること。それを躊躇しない。
  • 失敗することを恐れない。ダメなら諦めること。
  • 自分が知らないことを恐れない。

であると語ってます。

失敗を恐れることでなくしてしまう未来があります。

起業という文脈でなくても、新しいことにチャレンジする場合、ダメな理由探しをして安心しようとする自分を振り切って、踏み出せるかどうかは、やはり自分次第。

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