フルスタックスタートアップとは何ぞや?

http://www.cdixon.org/2014/03/15/full-stack-startups/

1 comment | 3 points | by WazanovaNews 約3年前 edited


Jshiike 約3年前 edited | ▲upvoteする | link

1年程前に「フルスタックエンジニア」という言葉をはじめて目にして意味を調べましたが、今回は「フルスタックスタートアップ」とのこと。新しい造語を使い回すのは好きではないのですが、A16ZのChris Dixonのブログで語られているその内容は興味深いものでした。

最近の注目を集めるスタートアップは、過去に挑戦された市場に対して違ったアプローチで仕掛けているとして、Tesla / Warby Parker / Uber / Harry's / Nest / Buzzfeed / Netflixを例にとり、それらを「フルスタックスタートアップ」と名付けています。この場合のフルでないというのは、既存の会社がライセンス販売形式などで、産業バリューチェーンの一部だけを担う存在であった状態を指しています。フルスタックのスタートアップは、全てのバリューチェーンを網羅するソリューションを提供するか、中抜きをすることにより、既存の会社よりも優れたユーザエクスペリエンスを生み出すことで成長していくという特徴を挙げています。

Teslaは、車のメンテはお金をだして車を買ってくれたユーザの不満を解決する作業なので、そこで儲けるべきでないとして、ソフトウェアの自動アップデートに注力し、車を直販することにこだわっています。しかし、歴史的に独立ディーラー経由の販売が100%であった米国では、一部の州では業界団体が政治家を抱き込んで直販禁止の動きをしています。しかし、各州の住民で直販に反対するところがないことからも、世論は圧倒的にTesla支持と言えると思います。

また、TV番組の製作とケーブルTV会社による配信も分かれていますが、ケーブルTV会社(特に寡占のComcast)はユーザの満足率が低いことで知られています。私もそう思います。値段高い(油断すると月1万円超えます。)のに、通信品質はまったく安定しません。それに対して、Netflixは月額$7.99。自社で番組製作もはじめ、配信についても「NetflixのAPIプラットフォーム」で紹介したように、800種のエンドユーザ利用デバイスのクオリティを担保するために自社で努力しています。

Uberは、流しのタクシーがほとんどいないので車を呼ぶのが面倒 & チップを払うのも面倒、という米国のタクシー事情に対して、配車 & 支払をアプリで解決してくれました。従来のタクシー業界だけでは、ユーザの利便性をかなえてくれなくて、既存利権にあぐらをかいていたところに、参入チャンスがあったということかと。

先日Googleが買収したNestは、ハネウェルのライセンスモデルで(おそらく数十年)変化がなかった米国の家屋内の検知器市場に対して、スムーズなソフト / ハード / サービスの一貫したビジネスを導入しようとしています。つい先日APIも公開していました。

ソフトウェアが既存の産業をどのように変えていくのかという文脈の中で、Marc AndreessenはBitcoinを、「金融業界を中から変えていくものではなく、(黒船のごとく)外からやってきてどーんと上に乗っかって変革を強制する。」的な表現をしていました。この手のアプローチは、成功したときの最終的なリターンはでかいですが、業界団体及び規制当局の抵抗はその分相当大きいし、世論もすぐに全面賛成とはいかない。一方で、Chris Dixonの言うところのフルスタックスタートアップは、産業バリューチェーンの分断をうまく修復しつつ既存産業の矛盾を解決するものなので、既存勢力の抵抗はあれど、社会的に新興勢力側が圧倒的に支持される傾向となり、もっとスムーズに世の中に受け入れられていくという側面はあるのだと思います。

フルスタックスタートアップがどんどん盛り上がることで、全産業におけるソフトウェアエンジニアの比率はもっとあがるべき時代になるのでしょう。


Feb/2014: ワザノバTop25アクセスランキング


#a16z #起業

Back